月: 2019年5月

令和元年夏場所千秋楽

トランプ夫妻・阿部夫妻の観戦した五番はどれも短い取り組みだったとはいえ、各力士の持ち味の出た渋い取り組みだったと思うのですが、トランプ大統領に伝わったでしょうかね。

通訳の方は「逸ノ城は懐も深く腰高なことも手伝って叩きが決まりやく、、、あ、ほらね。」とかちゃんと伝えただろうか、、、

朝乃山の大関は、もう少し先かな

元号「令和」を予測できた者がほぼいなかったのと同様、朝乃山の優勝を戦前に予想していた者も少なかったはずです。

正直興ざめなことを言ってしまうようですが、平幕・朝乃山の優勝の一因として、白鵬、貴景勝の不在、朝乃山と鶴竜の割りがなかったことを挙げてよいでしょう。そして十三日目の「誤審問題」、、、これはもういいか。

右四つの立派な型があったからこそではありますが、僥倖も手伝っての賜杯だったということは否めないと思います。

今場所、終盤戦の中で組まれた玉鷲、御嶽海戦は完敗。来場所の番付ではまだそれなりに苦労するはずです。上手を取れないまま寄った豪栄道との相撲も、もう一番取ったら体を開かれて上手投げを喰らうはず。右四つの白鵬なんて、もう対朝乃山戦で先に上手を引く立ち合いのイメトレなんて始めているかも。

荒磯親方は「大関を狙える」、舞の海さんも「横綱になる条件は全て揃ってる」と言っていますが、まだある程度時間がかかるでしょう。

しかし、来場所は朝乃山にとって大きな追い風があります。

明生、阿炎、竜電ら新興力士たちが揃って幕内上位の番付に殺到することです。御嶽海や北勝富士のような大学出身の、勘の良い押し相撲でなく、中高卒の叩き上げの個性派力士たち。

白鵬世代との世代間抗争という意味では、むしろ来場所が本当の潮目となる場所になるかもしれません。

「金の扉が開く」ときが迫っています。

千秋万歳。

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令和元年夏場所十四日目

朝乃山関、初優勝おめでとうございます。

初土俵(三段目付け出し)から所要20場所でのスピード幕内優勝となりました。これは輪島(15場所)と琴光喜(16場所)に次ぐ第三位の記録のようです。

十三日目の「誤審問題」で勝ち星を拾って本人も気にしていたようだけど、今日の豪栄道戦は先に上手を取られながら出足で上手を取った気迫の相撲でした。

なんだこのモヤモヤした感じ

そして、栃ノ心はまさかの変化で鶴竜に勝利。取組の意味合いからするともっとブーイングを買っていたはずですが、館内も非難一色に染まっていたわけではなかったようだし、各報道機関からもそういう論調は今のところない様子です。誰も明言はしないけど、「あの一番で変化はナシだけど、昨日の気の毒があったから、チャラね。」みたいな空気が醸成されている気がする。

そして、この問題と直接関係はないけど、千秋楽の割りは十四日目の取り組みがすべて終わってから編成するという審判部の異例の対応。これについて、時事通信社の穿った記事が目に留まりました。

阿武松審判部長(元関脇益荒雄)は「千秋楽に良い取組を決めるためにした」と説明したが、優勝争いがこんな展開になることは毎場所のようにある。今後もこうした対応があるのか、との問いには「これは…分かりませんが、あとでいろいろ(意見を)聞いて」と言葉を濁した。よもやトランプ大統領の来場に備え、滞在時間が延びて警備の負担が重くならないよう、なるべく優勝決定戦を避けられる取組も念頭にあったのか。そんなうがった見方も出てくる。

時事通信社 時事ドットコム編集部 2019年5月25日(土)

なるほど。結果的に十四日目に朝乃山が幕内優勝を、栃ノ心が大関復帰を決め、千秋楽に波乱を持ち越さなかったのは協会孝行ということになるのだろうか。穿ち過ぎか??

もちろん朝乃山の優勝について文句のつけようはないし、その朝乃山に「おめでとう」と声を掛けたという栃ノ心は、中継の大関復帰インタビューで清々しい顔をしていたので、私のモヤモヤなんてどうでもいいのだけれども。

ビデオ判定採用から節目の50年目となる場所で奇しくも再燃した「誤審問題」、支度部屋での涙とその翌日の大一番での変化、審判部の異例の割り編成、スッキリとしないものがいろいろ残ったけど、これが白黒をはっきりさせない大相撲と謂われる所以なのか、そんな紋切型な感想が、令和初めての場所に関するとりあえずの私の所感なのでした。


いや、まだもう一つのビッグイベントが残っていた、千秋楽に。

ひとまずこれを見物しながら、今場所の総括と来場所の土俵の展望をゆっくりと考えることにします。

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令和元年夏場所十三日目

Jリーグでもつい最近「大誤審」があったばかりでした。

そして大相撲でも「令和の大誤審」なんて汚名を浴びそうな事件が、、、

今回は私も誤審と思う。

長い長い協議でした。

ビデオ室でも判断に迷うほどだったとのことで、阿武松親方含め審判部も可能な限りの熟議を凝らしたということでしょう。

NHKの中継を見る限り、栃ノ心の踵は蛇の目の砂を払っていないように見えましたが、かなり微妙。ビデオ室の映像を含む現行のリソースで判定できなかったという技術的限界の話なので、審判員の資質が責められるべきではありません。 (「tweetで阿武松親方を茶化したその口が言うか?」と言われそうだけど、、、)

蛇の目の砂を払ったか、足が返ったか、髷に指が入ったか。悩ましいケースは他にも山ほどあったわけで、究極的には「土俵の神のみぞ知る」領域です。

構造的に誤審そのものは、少なくすることはできてもゼロにはできません。

「誤審問題」って何だ?

一応、「誤審問題」を失くすることは理論的には可能です。

今回の件が誤審として炎上しているのは、審判部のビデオ室が捉えきれなかった栃ノ心の踵の状態を、NHKの中継カメラは比較的明瞭に映し出せていたからです。

「誤審問題」とはつまるところ、「メディアや観戦者が審判員よりも比較的確からしい判定材料を持っている」という相対的な事象です。審判部のビデオ室が「栃ノ心の踵が蛇の目の砂を払っている」 明瞭な映像を持っていたら、あるいはNHKの中継カメラの解像度が低すぎて視聴者の手元にも判断に悩むような映像しかなかったら、「誤審問題」として前景化することのない問題なのです。

従って、NHKの中継よりも、報道カメラマンよりも、観客そして中継視聴者よりも、審判部の方が「優れた目を持っている」ことについて、全員が了解していれば、「誤審問題」が発生することはあり得ません。ロジカルにはそうなります。

しかしこれが難しい。まず不可能。

花道の四方、そして砂被り席、いや報道機関に限定しなければ土俵を全方位から取り囲むカメラが無数に存在するのですから。そしてNHKの中継がタイムリーに何度もリプレイ映像を再生でき、「疑似的な神の目」が視聴者側にある現在の状況は、大相撲協会にとってかなり気の毒であるとも言えます。

結局のところ、協会側もカメラを増やすとか、蛇の目にセンサーを埋め込むとか、そういう技術的次善策でお茶を濁すよりないのです。

どこまでいっても「審判の正しさ」は相対的なものであり擬制的な正しさにしかならない、このことは大相撲のみならずあらゆるスポーツ観戦ファンが心にとどめておかなければならないと思います。


明日の栃ノ心の対戦相手は横綱・鶴竜。

審判部は割に関しても栃ノ心に対して辛辣だ。

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