月: 2021年3月
照ノ富士大関昇進内定
当然の結果か。
大関どころか、今一番次の綱に近い存在なのですから。
そういえば、先の元号での髙安との出世争いなんて書いたけれども、平成から繰り越しているもう一つの物語がありましたよね。
白鵬との世代交代です。
かつてのブログを読み返していたら、2015年の九州場所では両者がっぷり右四つで組み合って、大相撲になり、最後は白鵬が力なく寄り切られた相撲があったことを思い出しました。
その年は破竹の勢いで照ノ富士が出世していたけれども、この相撲は楽日だったし、白鵬も体力を使い果たしていたという感じで、これで勝負づけが済んだという印象は全く受けませんでした。
当時は白鵬に加えて日馬富士と鶴竜が健在で、まだ稀勢の里は大関。
その稀勢の里が初優勝で綱取りに成功して番付に四横綱が揃った2017年の春場所、照ノ富士は十四日目に変化で琴奨菊を破ってヒールに担がされ、楽日に本割と決定戦で二連敗して稀勢の里に賜杯を譲ってしまうという悲劇を演じました。
しかし、照ノ富士の本当の悪夢は、その後の糖尿病と膝のケガとの闘いでした、、、
今横綱の番付には白鵬がただ一人。
次に両者しっかり胸を合わせる大相撲は、先輩横綱に、というより白鵬世代に恩を返す一番となるでしょう。
大関と横綱の割だから、場所の終盤戦になるわけだ。体力面に不安のある白鵬だけど、充実の相撲を見せてほしい。後の語り草となる一番になるように。白鵬はやはり強かったと証明するような、そしてまだ29歳の照ノ富士に残された土俵人生の華やかさを約束するような、そんな一番に。
千穐万歳。
ベテラン力士二人
髙安と照ノ富士が今場所の優勝争いの焦点になりそうですね。
入幕も大関昇進のタイミングも違えど、一つ前の元号で出世を競い、雌伏を経て、この二人のベテラン力士が今再び幕内の風景の中心にいます。
長い長いキャリアを物語るかのように、今の二人は辛抱強い”大相撲”を展開できる力士です。
七日目の髙安の宝富士戦もさることながら、今日の照ノ富士戦も刮目させられるものでした。
玉鷲の激しい突きをかいくぐりながら左の下手を引きましたが、土俵際の玉鷲の小手投げを食わないように一旦離して突きの間合いに戻りました。その後も玉鷲ののど輪攻めに対して安易に引かず、飽くまで体を正対させながら充てがい、突き落としで勝負を決めました。
玉鷲の根負けです。
勝ちを近づけるより、負けを遠ざける相撲、二人の取り口にそれを感じます。
それにつけても、その照ノ富士を根負けさせた志摩ノ海の一昨日の相撲には驚きました。
大型力士が大関の番付に三枚並んでいる今の土俵では、なまじ小さい相撲よりも阿武咲や隆の勝のように小さく当たってから胸を合わせて大きく開く相撲の方が、なんて書いたけれども。
執拗に頭を付けて筈押と押し付けで食い下がる志摩ノ海の勝ち方は、そんな私の記事に対するアンチテーゼだったな、、、
明生も入幕当時の両差しよりも右の前褌の方が目を引く取り口になってきたし。
いったいどの取り口が今の大関陣に大きな風穴を開けてくれるのだろう。その候補と可能性は多ければ多いに越したこはない。
信じられないものを見た
今年で一番のサプライズでした。明瀬山と栃ノ心戦が。
栃ノ心得意の左の浅い上手を引き付けられながら、右の浅い下手からの投げで土俵際を制しました。
栃ノ心にあの位置の上手を引かれて残せる力士はいま幕内には他にいないでしょう。
正面解説の佐藤アナは栃ノ心の左上手と明瀬山の右下手を「両者のストロングポイント」と言っていましたが、今日の相撲を見る限り、「右の下手を引くのが明瀬山の相撲」とするのは的を得ていない気がしました。
下手を身上とする相撲の常道はもっともっと深い位置の廻しを取るものですしね。
どちらかという右の下手を引いていたというよりかは栃ノ心の強い引き付けに体を合わせに行って、体幹を使った突き落としに近い。
だから怪力の栃ノ心にあれだけ良い位置の廻しを与えても良いわけですね。
異能派力士の明瀬山の真骨頂を見た気がしました。
照ノ富士は痛恨の三敗目。
荒磯親方は「栃ノ心は筈押しに弱い」と言っていたが、ひょっとしてこの力士もでは?