令和二年七月場所十一日

静かに化ける力士

とでも形容すればいいでしょうか、この力士を。

今日勝ち越した琴恵光です。

今場所は腕をしっかり差して負けた相手は照ノ富士のみ。その一番も巨漢相手にして上手を頼りに土俵を残る残る。

七日目、栃ノ心を相手に右の腕を返して左を押っ付け、上手を引いて寄った相撲も圧巻でした。

去年の琴恵光についての自身の記事を見返して、当時の琴恵光は両差しを求めて、張りを多用したり、後ろから立ったり、立ち合いを工夫しながら取り口を模索していたのを思い出しました。

腕力が強くて両差しを狙う小兵力士として、松鳳山と似た生態系を形成するのかなとも当時思っていたのですが、今の琴恵光から受ける印象は全く異なります。

今の琴恵光は両差しにはこだわっていないように見えます。栃ノ心や髙安ら大型力士を相手にしても、片方の腕が差されば胸を合わせた相撲を厭わない。

もともと胸を出していく立ち合いで、体格に似合わない大きな相撲を取っていただけに、パッと見ではその大きな躍進に気づきません。

しかし、体重も去年に比べてむしろ減っているだけに、その静かな大化けに瞠目している好角家は少なくないのでは、と推察します。

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