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令和三年夏場所十日目

隆の勝の星が上がらない原因は?

向こう正面の舞の海さんは「淡白な相撲が目立つ」と言っていますが、私は別の原因がある気がします。

「右が差さったら負けない」とこれも舞の海さんの弁ですが、その右腕ではないかと。

今場所、とくに序盤戦は、立ち合いにおける隆の勝の右腕が遊んでいる。

筈押に行くのか差しに行くのか迷っているような。

調べてみると、先場所、立ち合いにおける隆の勝の右腕は15番中9番で顔を突きにいっています。

それでいいと思うのです。

「右が差さったら負けない」ことは、必ずしも立ち合いでの右差し推奨を意味するわけではありません。

立ち合いは突き押しで相手を起こして、相手の背中側の土俵がなくなったらそこで差して、寄り身を展開すればいい。

立ち合いから右を差しにいって、徒に相撲を長引かせている、これが今場所の隆の勝のらしくなさの正体ではないかと。

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令和二年十一月場所千秋楽

箇条書きですみません

貴景勝関、幕内最高優勝おめでとうございます。

一年納めの十一月場所も無事楽日興行を終えたので、今年一年分の自身観戦メモを見返していました。

今年は夏場所や地方巡業が中止になったり、出稽古が禁止されたり、結局各界もコロナに振り回された一年でしたけど。

力士の相撲内容にフォーカスするならば、「兆し」の一年だったかと思います。

まだ開花していないけど、もういつ「化けて」もおかしくないような力士が幕内に飽和しつつあります。朝乃山や正代のようにブレイクする力士が「点々」とではなく波状的に幕内上位を洗う、そんな時が迫っているのではないかな。もう毎年そのようなことを言っている気もするけど、、、

書き殴った箇条書きのようになってしまうけど、そんな何人かの力士について書こうと思います。

琴勝峰

まだ幕内キャリア3場所目ですが、毎場所勝ち越すとは思いもしませんでしたよね、、、

厳しい幕内のメンツの中で、これだけ捉えどころのない取口で負け越しを知らないことだけで既に奇跡です。

彼のデータを見てみると、立ち合いで突いていったのときの勝率が飛び抜けている。足も長いので、このまま突きの相撲のまま玉鷲タイプの力士になる気もするけど、やはりロマン派の相撲ファンは彼に四つ相撲の完成像を幻視しているでしょう。

今場所荒磯親方が「全身バネのような」と形容していた大器について、「彼の目指すべき相撲はこれだ!」と説得力をもって語ってくれた例を私は寡聞にして知りません。そこが大器たる所以なのでしょうけど。

輝・竜電

高田川部屋の両関取の取り口が互いに近づいている気がするのは私だけでしょうか。

両差しの取り口のイメージが強い竜電は、立ち合いで筈押しを見せるようになってきているし、輝はむしろ両筈から両差しの取り口に。

背格好も似ているので、ボケっーと竜電だと思いながら中継の相撲を見ていたら実は輝だったなんてことが何日かありました。

輝はまだ26歳ですからね。押しの間合いから寄りの間合いへ、筈押しから差して前褌を引く相撲へ。これは来年ブレイクするかもしれないぞ??

隆の勝

「同じ部屋に大関貴景勝がいますが、押し相撲の完成度では隆の勝が上でしょう。」

これは中日新聞の北の富士コラムの弁。

隆の勝の相撲の完成度が高く見えるのは、立ち合いの押っ付けから差し身を作って出足で寄っていく「押しの立ち合いから寄りの仕上げ」が北の富士さんの古典的・理想的な押し相撲力士のイメージに近いからでしょう。

私も以前隆の勝の相撲は出島に近いというようなことを書かせていただきました。

完成度が高いという意味では、隆の勝に化ける余地はあまり残っていないのでしょうけど、新機軸の貴景勝と古典派の隆の勝と、タイプの異なる突き押しの大関が千賀ノ浦部屋から二枚揃ったら、これは華やかだろうなぁ。

霧馬山・豊昇龍

令和の土俵風景を格段に面白くしてくれるポテンシャルを持った二人。

時折掛け投げを見せ、下手を主体にした四つ身を持っているという両者共通点は既に触れましたが、もう一つの共通点は師匠に「まだまだ稽古不足」と言われているところ。

貴闘力さんはyoutubeで「安芸乃島さんは一日150番くらい取っていた」なんて言っていたな。

さすがに、重量級力士ひしめく今の幕内力士衆との稽古でそれだけ番数取るのは不可能でしょうね。いつだったか、霧馬山の師匠の陸奥親方は「吊りも稽古している」なんて言っていたけど、これも実現性はなさそうだ。

彼らが楽日の結びの一番で、目まぐるしい技と機略の応酬を繰り広げてくれたら、、、これも夢物語かな?


以上、とりとめのない総括でした。

彼らのうち1人2人でも実際に花開いてしまえば、もう白鵬・鶴竜の影は薄い。豪栄道・琴奨菊も引退したし、異例ずくめだった令和二年は新旧時代の幕間のような年だったなぁ、なんて5年後くらいに振り返っているかもしれませんね。

千秋万歳。少し早いですが、良いお年を。

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令和二年春場所九日目

右頬の傷には訳がある

隆の勝が1敗で白鵬を追っています。

昨年九州場所に書いた記事で出島になぞらえた隆の勝、今場所もやはり右が差さると負けていません。

連日、白星とともに右頬から流血をしているようですが、これには訳があります。

隆の勝は立ち合い右から踏み込んで右で顔や胸を突く力士です。今日対戦相手だった玉鷲も同様。

その突きに対して充てがおうとする相手の腕の動きのスキをついて右を差すのが隆の勝常勝の定石です。

両者の顔の辺りで、相手力士の左腕が激しく動くので、隆の勝の右頬に接触してしまうわけです。

「慣れてくれば稽古場に似ている」と今場所を形容したらしい隆の勝、たしかにこの力士は稽古場はめっぽう強いだろう。

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